空調服のハイパワーファンはモード切替でもっと気持ちよく使える?

空調服は暑さの中で快適に働いたりスポーツを楽しむ上でなくてはならないものになっています。空調服の効果を左右するのがファンのパワーです。空調服用のファンにはハイパワー仕様のものも数多く販売されています。ファンの正しい使い方を理解しておくと、もっと合理的に空調服を利用することができます。

この記事では空調服のファンの機能と効率的な使い方を解説します。

『空調服の着心地とファンを動かすモーターの性能について』

空調服の仕組み

風が体の表面に当たると体の表面の水分が蒸発します。そのときに体の表面の熱が気化熱として奪われます。そのため、夏の風は涼しく冬の風は寒く感じるのです。空調服は風が人の体温を奪う仕組みを服に取り入れたものです。

服の中にファンを取りつけて外気を取り込み風を起こします。すると服の中にこもっていた汗や湿気が蒸発して服の外へ出ていくのです。服の中の熱や体表面の熱も気化熱となって奪われて一気に涼しくなります。工場内や家庭内などではエアコンの消費電力よりもはるかに少ない電力で暑さから逃れることができます。

特にエアコンが使えない屋外の作業でも涼しく過ごせるので、屋外で働く人々にとってはとてもありがたいものです。空調服はファンの位置や形などに工夫を重ねて効率的に体全体に涼しい風がいきわたるように作られています。

空調服の涼しさはファンの性能で決まるといってもいいぐらいです。

空調服の効果とファンの出力

空調服は使用する環境によって効果が変わります。気温が高くて空気がこもりやすい環境ほど効果は小さくなるのです。環境によっては全く効果が得られないこともあり得ます。空調服の効果はファンで外気を取り込むことから始まります。

そのため外気の影響が非常に大きいのです。空調服の効果を決めるのは外気の温度や湿度といった環境の要素があります。また、空調服を着た状態でどのような動作をするかでも効果は変わります。空調服を着て事務仕事をするのと肉体労働をするのでは効果は全く違うのです。

肉体労働が激しければ激しいほど人間は多くの汗をかき熱を出します。このような時には空調服の効果を弱く感じてしまいます。夏の貨物配送業務、屋外作業、農作業、火を使う工場現場での作業などは暑さのために体調ばかりではなくメンタルにも悪影響があります。

そんな時には空調服の効果をより大きくしたいものです。そこで、ハイパワーファンが開発されました。ハイパワーファンは、従来のファンよりもバッテリーの出力が大きいため強い風を起こすことができます。バッテリーの出力を大きくするため、充電時間も長くなっています。

一般的なハイパワーファンはレギュラーパワーよりも15%から20%程度風力が強くなります。風力は1秒に起こせる風の量で表します。レギュラーパワーで出力7Vで風力は45リットル/秒程度ですが、ハイパワーファンの場合には出力10Vで風力は56リットル/秒程度まで風力が強くなります。

夏の炎天下の作業などでも体調を守っていくためには、ハイパワーファンはなくてはならないものになっています。

空調服の着用効果、パワーを間違えると体調にも影響?

空調服は熱中症などのリスクを軽減します。不快感が減るのでメンタル面でもいい影響があります。労働時間だけではなく、通勤時の不快な暑さを軽減することも可能です。また家庭にいる時にもアイロンがけなどの嫌な暑さから身を守ることができます。

ハイパワーにするとこの効果が大きくなります。気を付けたいのは効果が大きくなると体への影響も大きいということです。例えば夏のエアコンの設定温度でも低い温度に慣れると、一般的な設定温度では快感が得られなくなります。

ついついエアコンを強くしすぎて結果的に体調を崩すのが冷房病です。空調服でも同じことが起こりかねません。ハイパワーに慣れるとレギュラーパワーでは物足りなくなります。ところが体は冷たくなると様々な不調が起きます。

特に空調服のファンの取り付け場所はおなかに近いところです。この部分を冷やすと効率的に体を冷やすことができる反面、冷やし過ぎの影響も表れやすくなります。ハイパワーファンのおすすめの使い方は、ハイパワーモードとレギュラーパワーモードをうまく切り替えながら使うことです。

空調服を着た直後にはハイパワーファンモードにして体の熱を一気に奪い、その後はレギュラーモードに切り替えて使う方法です。再び服の中に熱気がこもってきたら、またハイパワーに切り替えます。こうすることでバッテリーの持続時間も長くなります。

ハイパワーファンの設計自体も最初は最強で設定しても一時間程度たてば最強モードから自動的に弱目のモードに切り替わるように作られています。身体への影響とバッテリーの持続時間を考えての設計です。

空調服がもたらす光熱費への効果

最近の夏の大きな話題になるのが熱中症です。地球温暖化の影響で日本では毎年最高気温が更新されています。家の中にいるときにはクーラーは必需品になりました。光熱費もどんどん高くなります。空調服をうまく活用すると光熱費の節約につながります。

高温の工場などでは空調費を節約して作業員が熱中症にかかるといった問題も後を絶ちません。空調服を着て作業すれば熱中症などの心配をせずに光熱費が大きく節約できるのです。クーラーやエアコンは部屋単位で温度を下げるものです。

広い部屋に10人いても1人だけでも同じだけの光熱費がかかってしまいます。空調服なら1人の時には1人分の光熱費で済みます。しかも、どこへ行っても涼しく過ごせます。事務所や工場ばかりではなく家庭でも光熱費の節約につながります。

空調服のファンの手入れ

空調服のファンは服の中に入れて使うので汗が付きやすいものです。そのため使用後には必ず汗をふき取らなければなりません。汗には塩分と脂が含まれています。ファンに着いた汗は乾いた布でを拭きとります。使用する現場によっては細かい砂などが付く場合もあります。

汚れがひどい場合にも洗剤を染み込ませた布でふき取る程度にします。この時シンナーやベンジンなどを使うとファンを傷めてしまいます。またファンは簡単な防水構造になっていますが、水洗いは厳禁です。

空調服は体も心も経費も地球も楽になる?

空調服を着ることで体が楽になり、不快感から解放されるので心も楽になります。同時にクーラーやエアコンの光熱費も節約することができます。ただし、人間の身体には冷やし過ぎは禁物です。ハイパワーファンの切り替えモードをうまく活用することで、冷やし過ぎを防止できます。

またバッテリー持続時間を長くすることにもなります。

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